着物を着るようになってから、本屋さんや古本市に行くとつい着物に関する本を見つけてしまいます。
古くから日本文学には奥ゆかしき和服女性が登場し、美しい着物姿や立ち振る舞いに想像力を巡らせていました。それ以外にも着付けやコーディネートなどを勉強したくて捜し歩いたりしてました。
今回のコラムで着物にまつわる本を引っ張り出してみると、この数年間でかなり増えていて、結構似たような本も買ってたり…(汗)。
なかでも、私の着物LIFEが変わる革命的な雑誌との出会いがあります!
それが『KIMONO姫』です。
それまではどちらかというと無難な着物を選んでいました。とくに私は地味なものが好きだったようで(グレーとか黒とか)…というより、なにをどうしたらいいのかわからなかったのです!
最初の頃選んでいた着物はすべて地味!
母親にも不評で、確かに過去の写真を撮ると「どこのおばさんか?」っていうくらい地味でした。
さて、初めて『KIMONO姫』を見た時、まずはタイトルと表紙に目を奪われ、読んでみると着物の概念がまるっきり変わりました。いわゆる正統派の着物雑誌とは違い、そこには私の求めていた着物姿があったのです。40過ぎのアラフォーがあきらかに若者向けの雑誌にギャップを感じつつも、自分と変わらぬ同年代の女性たちも素敵に着こなしている姿を見て、“こんな着物が欲しかった” 欲が止まりませんでした(まさに沼!)。
『KIMONO姫』の創刊は2003年、私が読み始めた当時は、もうすでに創刊から何年も経っていたので、それからバックナンバーを探し集めました。
とくに樹木希林さんの特集のページはかっこよくて、斬新で…今見ても本当にかっこいい。
こんな風に歳を重ねながら着物を楽しみたいと思いました。ちなみに地味だと思っていた着物も小物を替えることで、とても粋でかっこいいスタイルになるのだと教わりました。
また、松田恵美さんのイラスト本「きもの番長」シリーズも大好きです。アンティークの着物のコーディネートなど、真似したいアイテムがたくさん!
松田さんのイラストもとっても可愛いのです。
エッセイ本はたくさんあるなかで偶然同じタイトルの本もあったりして驚き。
着物好きで知られる林真理子さんは辛口でお金のかけかたもすごいし、楽しみ方も豪快でおもしろい。毎年お友達と集まって目いっぱいおしゃれして“細雪ごっこ”なる楽しみ方があるのだとか。
「細雪」といえば、あれですよ!
谷崎潤一郎の小説「細雪」、映画の中では岸恵子、佐久間良子、吉永小百合、古手川祐子の4姉妹が豪華絢爛、華やかな着物を着ている姿。なんと美しい。あんな豪華な着物は持っていないが、これから紅葉のシーズン、いつか私も着物友達を集めてやってみたいぞ ”細雪ごっこ”。
中村玉緒さんは、いつもテレビで素敵に着物を着こなしていた姿が印象的ですが、エッセイの中では勝新太郎さんとのエピソードや男性と着物のことも。
とくに「男性に着物を脱がされた時はどうするか?」(笑)などと、ちょっとドキッとしてしまうことも。
玉緒さんがお話すると、「ほほお~」っと妙に納得してしまう。
いや~着物を脱がされたことがないからな、いつかそうなる時を夢見て参考にしようっと!(≧▽≦)
文 中川泰子
裾野市内で開催されるマルシェやイベントで「すその一箱古本市」主催。
屋号「ぞうさん書店」で各地イベント古本市に出店。たまに着物で出店しています。趣味:映画は映画館で見る派