2018年8月に行ったインタビューでしたが、諸般の事情でお蔵入りとなっていました。それをOn Ridgelineで一部掲載します。今回は書肆ハニカム堂の話を中心にお送りします。
1万2000字を超えるロングバージョン記事(無料版前後編の2.5倍のボリューム!)を200円で販売中です。On Ridgeline 無料版とは、打って変わってさらに突っ込んだ鋭い内容となっています!!!!(growbooks写真やオープン当時の書肆ハニカム堂写真もあります!)
※ 購入金額はOn Ridgeline の運営資金となります。
参考 街の本屋growbooksの終わりと古本屋 書肆ハニカム堂のはじまり[1万字超インタビュー]note版 別冊On Ridgeline
growbooksはどんなものでも受け入れてくれる存在(書肆ハニカム堂)
On Ridgeline ハニカムさん、男性から見てgrowbooksの魅力ってなんですか?
ハニカム堂 いやあ、なんだろな。growbooksはどんなものでも受け入れてくれる。それは男性、女性関係なくて…。
growbooks ハニカムにほめられた! いつも褒めない人なのに。
ハニカム堂 でも、こうやってgrowbooksが10年がんばってきたわけじゃない? 客として10年近く通ったことになるんだけど、その間にふと、「そういえば昔、本屋とか古本屋とかやりたいって思ってたよな」って、そういう気持ちを思い出したことがあった。
2017年の1月、僕にとって暇な時期だったから青春18きっぷを使って、実家のある長崎から静岡へ鈍行列車で戻ったんだけど、18きっぷだと途中下車ができるから、広島県・倉敷市にある蟲文庫っていう古本屋に寄った。倉敷の美観地区にあるすごくいい雰囲気のお店で、そこへ訪れて店主とお話した時に、ふと「昔から古本屋やりたかったんですよね」って口から出たんだよね。
口に出した瞬間に「俺、ほんとに古本屋やりたかったんだ」と思った。まさに言霊です。
それで静岡へ帰ってきて、growbooksに話した時に、「それじゃ、ここでやればいいじゃん」って言ってもらえた。それでgrowbooksの店の本棚を借りて委託販売を始めたのが書肆ハニカム堂の始まり。
growbooks 最後、いろいろ怒涛だったよねえ。店内イベントとして店長を交代する「夜のハニカム堂営業」とか時々やったりもした。ハニカムには「好きに営業していいから、終わったら勝手に店を閉めて帰って」と伝えて。それは俺がさぼりたいだけでもあったんだけど。
ハニカム堂 本当にね、楽しかった。僕はgrowbooksと違って、本屋で働いたこ経験もない中で、カウンターに立って、すごくいい経験になった。
そして、growbooksが閉店。
growbooksをやってほしいとは思っていたけどれど、撤退した店舗をもう一度オープンすることが大変だというのもわかる。
もうひとつ残念だったのが、growbooksに集まっていた人たちがバラバラになってしまったこと。それをなんとかしたいというのもあった。
店を始めようと思ったきっかけ、実はgrowbooksの閉店だったんです。
On Ridgeline & growbooks ありがたいねえ。
人を引き合わせる場所にしたい(書肆ハニカム堂)
On Ridgeline 書肆ハニカム堂のテーマとかあるんですか?
ハニカム堂 実はないんですよ。ここは場所がら近所の人を相手にすることが多い。
僕自身あんまり話をするのが得意じゃないけれど、いろんな人の話は聞きたいんですよね。本を買わなくてもいいので、おじいちゃん、おばあちゃんのいろんな話を聞きたい。なんなら、そのおじいちゃん、おばあちゃんたちを引き合わせたい。
On Ridgeline まるでお見合いだなあ。
ハニカム堂 そうそう。いろいろなことが機能する本屋になりたいと思います。
世代の違ういろいろな人がgrowbooksに集っていたように、書肆ハニカム堂も人と出会える場になってほしい。
2年後からのコメント(On Ridgeline)
その後、書肆ハニカム堂は週末のみの営業ながらファンを増やし、「浜松古本市」のオンラインイベントに参加するなど、静岡東部の古書店として存在感を増しています。On Ridgelineコラム連載「牧水になりたくて」の著者sioさんをつないでくれたのはハニカム堂店主であり、2年前に話していた通りにお店が「人と人とをつなぐ場」にもなっています。
また、growbooksは現在も店舗をもたないながら営業を続けており、書肆ハニカム堂をはじめ、縁のある店舗への委託販売と、Instagramを通じて新刊の紹介を続けています。
私自身、On Ridgeline というメディアを運営している身として、変わらず継続することの難しさを痛感する日々なので、growbooksが飄々と“いつも通り”を続ける姿に励まされています。
取材先
growbooks
サブカルチャー臭のする本をセレクト/販売するlikestyle bookstore
本の注文・購入は[河口湖]喫茶室TABiLiON&[沼津]書肆ハニカム堂へ(注文はinstagramのDMでも受付中)。
Instagram
書肆ハニカム堂
沼津の週末古本屋。だいたい土日祝営業(14時〜18時)詳しい営業時間、イベント出店などの情報はTwitterをご確認ください。
住所:静岡県沼津市今沢175-5
Twitter/Instagram
写真と文 森岡まこぱ
御殿場市在住。フリーランスで編集・執筆を行う。現在、On RIdgeline運営中。https://note.com/makopa