沼津市・新仲見世商店街のアーケード撤去工事が終盤を迎えています。
実は、新仲見世商店街会長でもある井草呉服店店主がその様子を毎日Twitterで記録しています。
その名も「#100日後位に無くなるアーケード屋根」。
この春に話題となった「#100日後に死ぬワニ」のオマージュで始まったツイートですが、100日はとうに越え、2020年10月1日現在で142日目を記録しています。
築50年の巨大な鉄骨の建造物の撤去、さらに現場が沼津市中心部の商店街ということで、深夜の工事も多いようです。
今年は延々と続く長雨に、酷暑、台風という悪天候に加え、蓋を開けてみたら…予想外の難問が出てきたりして、工事の中断や停滞もありました。
そんな中でも、新仲見世商店街で開催されたイベントの思い出や、ラブライブ!サンシャイン!!の聖地巡礼で訪れたラブライバーさんとの交流などをツイートしています。
その様子を見ていると、アーケード屋根の下の公共空間としてこの場所がどのように利用されてきたのかがわかります。
何よりツイートしている井草呉服店店主の商店街の将来に向けた思いや、深い愛情が見ている側にも伝わってくるのです。
ただ、やはり古い構造物の撤去。人の生活圏内にある重要な場所の大規模工事ということで、困難も多かったようです。
時に、不安や苛立ちを隠せないツイートもあります。
時折、アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」や、ドラマ「フランケンシュタインの恋」など、ロケに使われた作品との思い出や、ありし日の新仲見世商店街を記録した作品についても紹介されています。
私の知らない情報も多く、「この映画は沼津がロケ地だったのか!」と驚くばかり。
かくいう私も新仲見世商店街の床のファンで「ぬまつー」でこんな記事を書きました。
この床がなくなるのはさみしいけれど、歩行者の安全を考えれば、それも仕方ないこと。原稿を書いていた当時、まさかこの場所がガラッと変わるなんてこと思ってもみませんでした。
とはいえ、過去を振り返るばかりではありません。
今年の春、コロナ禍を受けて商店街にベンチとテーブルを設置する社会実験の実施もありました。
さらに、先頃オープンした「next SHIN NAKA」Webサイトでは、沼津・新仲見世商店街アーケード撤去後の空間再編についての情報を発信中。
また、アーケード撤去後の空間再編計画への寄付も募っています。
募金ご協力のお願い
アーケード撤去、空間再編にかかる費用は莫大で、商店街内ではとても賄いきれないのが実情です。
未来を担う次商店街事業者への負債持ち越しは、できるだけ少なくしたいと思っております。地域の暮らしに寄り添い、まちの新たな機能としての空間を担うことを見越しての今回の再編計画、是非、みなさまのお力をいただけないでしょうか。
商店街各店内に、募金箱を設置しております。また、口座振り込み、オンライン決済にて寄付金を受け付けております。みなさまのご支援、ご協力を、どうかよろしくお願い申し上げます。
next SHIN NAKA公式Webサイトより
もうしばらく続くであろう「#100日後位に無くなるアーケード屋根」の行方、街の文化史としても貴重な記録となるのではないでしょうか。
ぜひ、みなさんにも過去ツイートまで遡って、その経過を見守っていただきたいです。
写真と文 森岡まこぱ
御殿場市在住。フリーランスで編集・執筆を行う。現在、On RIdgeline運営中。https://note.com/makopa