2021年5月のGWにグランドオープンを迎えた沼津市にある循環ワークス。元鯖節工場をリノベーションした、新たな場所に注目が集まっています。
店内のリノベーションは「サポーター」と呼ばれる多数のボランティアの力も加わり、みんなで一緒に迎えたグラウンドオープンでした。
On Ridgelineも、4月下旬にサポーターとして2日間に渡り循環ワークスのリノベーションに参加しました。
知り合いのいない状態で、朝9時から夕方16時までの活動でしたが、循環ワークスの工場長の山本広気さん・真紀さんご夫婦と先輩サポーターのみなさんのおかげで、良い汗をかきながら充実した時間を過ごすことができました。今回は、その様子をお伝えします。
今後も、循環ワークスではサポーターを募集する機会もあるそうなので、DIYやリノベーション、ボランティアに興味のある方の参考になればうれしいです。
この日、初参加なのは私一人で、他の4名はサポーターとして参加した経験がある方ばかり。
この日は、建物に新しく設置した窓枠の防水処理の作業です。窓枠と壁の間の隙間をコーキングしてふさぐ作業です。脚立を使って、コーキング材がはみ出さないようにマスキングを行い、窓枠と壁の隙間にコーキング材を充填していきます。
聞けば、みなさんコーキング作業は初体験とのこと。工場長の山本さんの説明を聞きながら、その都度、作業を確認します。
循環ワークスは、環境に寄り添い、「もの」や「人」を循環させてよりよい生活のしくみを考える「循環工場」と、Webサイトに書いてあります。そのコンセプト通り、体験できる場を用意することで、新たな知識や経験も循環できる場なのだと思います
プロフェッショナルの指示のもと、一緒に作業をする日もありますが、たまたまこの日は経験者はいても、本職の方はいませんでした。
慣れない工具を使いながら、作業を進めていきます。「失敗したら、雨漏りの原因になるかも…」と責任も感じますが、参加者みんなで話し合いながら、悩んだ場合は工場長も交えて一緒に考え、よりよい方法を探していきます。滅多にふれることのない工具を使うことにテンションも上がり、ほどよい責任感、そして、だんだんと工具の扱いが上達していく満足感、作業を通して普段は感じたことない充足感を得られます。
真面目に黙々と、というよりはみんなで雑談も交えて、話し合いながら作業しているので、初参加でも気まずさはありません。何より、通りすがりの近所の方々とあいさつしたり、「今日は、何をしているの〜?」なんて質問も。ささやかなご近所交流も体験できます。
12時になるとみんなでランチタイムです。地元の有機野菜を使って真紀さんが調理した旬の料理が並びます。どれもおいしくて、ついつい箸が進みます。
そして、初対面のメンバーがいる時には、全員で自己紹介をするのが循環ワークスの決まりです。
それぞれのバックグラウンドや、今の仕事、そして、これからの活動について目標や心配事なども含め、みんなで会話します。話題は沼津市内に限らず、県外で活動している人たちの話や、世界的な動き、行政の話など、情報交換の場でもあるようです。
「この感覚、なにかを思い出すな…」と思いうかんだのが、家族総出で行う田植えや稲刈りの風景です。私は体験したことはありませんが、きっとこんな感じなんだろうなと、想像すると微笑ましく思えました。
同じ釜の飯を食べた仲という通り、ランチタイムを通してほかの作業をしていたメンバーとも、ぐっと距離が近くなりました。
また、別の日には沼津市内で建築設計を行う古川智望さんと一緒にワークショップスペース製作が行われていました。
テラススペースは、子どもたちも使う場所ということで「どんな仕上げだったら子どもたちも楽しく、安全に使ってもらえるだろうか?」と相談しながら、手が触れる部分はていねいにやすりをかけ、手すりには布を巻きつけたり、マクラメ編みを使ったり、試行錯誤を繰り返します。こうやって、いろんなアイデアを実践しながら作業を進める姿が印象的でした。
また、作業の合間に循環ワークスの施設内を見学。2階には、ギャラリースペースがあり、画家・山田大輔さんの作品も展示されています。また、奥にはキッズスペースもあり、小さな子どもと一緒でも安心です。
そして、これから夏に向けてリノベーション予定という開放的な屋上スペース。手すりを設置して、誰でも利用できるパブリック空間、そして屋上菜園も行う予定だとか。
また、別の日にサポーターとして参加すると、この日は回収してきた古道具などをきれいにして商品棚に陳列する作業でした。
なかには、破損したり、パーツが足りないものもありますが、こういった商品にならないものも捨てずに再利用するのが循環ワークスの流儀。
作業中に出た木の端材は薪ストーブの燃料へ、陶器はタイルに、布類は雑巾などへ。まだまだ利用方法はあります。
循環ワークスで印象的だったのが、最後まで使い切ること。アイデアで循環の輪をつないでいく姿勢です。
グランドオープンを迎えた循環ワークスですが、まだまだこれからもリノベーションの予定はあるそうです。その時には、またサポーターの募集も行うとか。
サポーター募集のほか、最新情報は公式Instagramをご覧ください。
また、山本夫妻は、環境に配慮した生産者や商店とつながるオーガニックポータルサイト「ナチュカル」の活動にも力を注いでいます。静岡県内の個性豊かなオーガニック生産者さんや店舗さんとつながる場所として、こちらも注目です。
[循環ワークス]
住所:静岡県沼津市我入道浜町308
営業日:木曜〜土曜、第1・第3日曜
営業時間:10:00〜15:00
Official:Web/Facebook/Instagram