富士山麓▲まちnakART( 1 )

静岡県東部の街をぶらぶら歩いていると、なんとも味のあるものが多いことに気付きます。

古い建築物、看板、謎の路地…。歩いているからこそ、目に留まる。ちょっとおもしろい景色がそこにあります。
街をぶらぶら歩いて、気になるものを紹介するコラム「富士山麓▲まちnakART(街なか+ART)」。不定期でスタートします。

初回は、沼津市のとある壁です。
飲み屋とコインパーキングに囲まれたエリアを抜けたて商店街へ向かう途中に発見した壁に、はっと目を奪われました。

レンガ造りの建物に、いろんな種類の植栽。少し色あせているけれど、どことなく南フランスの風景を思わせます。
海外でよく見る感じの窓の外の植物(ウィンドウボックスというのかな?)、植物もかなり描き込んでいます。
ほかにも郵便ポストやエントランス、いろんな種類の植木鉢、きっと太陽が照りつける眩しい場所なのでしょう。影のコントラストもはっきりと描かれています。

しかし、エアコン室外機のある場所より高く、大きく描かれた木も、レンガもどこか中途半端。あたたかい海辺の町並みならもっと葉っぱを豊かに描き込んでみては? レンガももう少し全面に描いてもよかったのでは? と素人は感じてしまうのですが…。
もしかしたら余白を大きく取ることで、街行く人の想像力を掻き立てているのかもしれません。

最後に、一番驚いたのがこのお店、てっきりバル的な飲み屋かと思いきや、実は美容院。しかも、正面から見るとメタリックで近代的なデザイン! クールでかっこいい!!
そのギャップにノックアウトです。

写真と文 森岡まこぱ
御殿場市在住。フリーランスで編集・執筆を行う。現在、On Ridgeline運営中。https://note.com/makopa